男性更年期障害とは

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同じ更年期障害でも、女性と男性では違いがあります。それでは、男性更年期障害とは何かについて詳しく解説いたしましょう。男性更年期障害とは?

男性更年期障害は、男性の更年期に起こる原因が特定しづらい身体不調のことを言います。

ちなみに、更年期とは、女性と男性では異なる見方をしています。

  • 女性の場合

閉経時の前後の5年間を指し、つまり10年間を更年期と言います。閉経の個人差はありますが、閉経という身体の変化を基準に明確になっています。

  • 男性の場合

男性の場合、女性のように身体変化である閉経のようなものはありません。

従って、男性の更年期は、曖昧な捉え方をされています。

男性更年期障害は、加齢やストレスによる男性ホルモンの減少が原因とされていますが、その程度には個人差がありす。

ですので、女性の様に、何年とかという基準はありません。

強いて言うならば、30代後半から70代と言えます。※諸説あります。

また、男性更年期障害は、別名、LOH症候群(late-onset hypogonadism:加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれております。

ちなみに、当blogのロゴマークも、このLOHをモチーフにしています。

すみません。話を戻しますね。

男性更年期障害の症状は中高年男性に現れ、加齢やストレスによる男性ホルモン(テストステロン)の減少によって引き起こされます。

しかし、最近ではその男性ホルモン(テストステロン)の減少だけでは説明のつかないケースも報告されており、特にメンタル系の疾患(うつ病や社会不安障害、パニック障害等)が引き金となる場合があります。

男性更年期障害は、フィジカル(身体面)・メンタル(精神面)どちらにも大きな影響を与え、仕事どころか日常生活に支障をきたすことも少なくなく、私自身も日常生活もままならなくなる程の経験があります。

日常生活にも支障を来すほどの辛い症状を感じた時は、決して我慢せず必ず医師の診察を受けるようにしてください。

発症時期はいつぐらい?

男性更年期障害が発症する時期は、40代から50代が最も多いと言われています。

私自身も40代から体の不調を覚え、50歳を過ぎてから、男性更年期障害と診断されました。

しかし、当然ながら発症時期には個人差があります。

早い人は20代後半からなんて方もいます。

20代で発症するケースは稀ですが、原因は強いストレスによる男性ホルモンの減少と言われています。

また、時に70代でも発症しますので、いつでも男性更年期障害になる可能性があるということなんです。

そして男性の場合、女性とは異なり一度発症すると、その症状が長期化するケースが多いです。

なぜかと言うと、先述の通り女性と男性では、その原因が異なるからです。

表はスライドできます。

女性閉経によるホルモンバランスの変化
男性加齢やストレスによるホルモンバランスの変化

女性の閉経は、男性と比べると比較的短い期間でホルモンバランスが安定していきますが、男性の場合、加齢やストレスが原因ですので、あらゆる世代で起こりうるのです。

そうなると自ずと長期化する可能性が高まるということになります。

さらには、男性特有の"性格"みたいなものが、更なる長期化の要因とも言われています。

それは…

  • 弱音を吐かない
  • 周囲に相談しない
  • 病院にいかない

あなたも、覚えがありませんか?

この様な状況にあると、周囲からも男性更年期障害を患っていることに気づかれにくく、更年期障害の状態が、その人の性格だと勘違いされてしまうこともあるので注意が必要です。

よく年配の男性で、直ぐに怒り出すなんて話やニュースを耳にすると思いますが、見聞きしている側も、単に歳をとったからだと、何も気にしないと思いますが、ちゃんと医師の診断を受けてみると、男性更年期障害だったなんてケースもあるのです。

男性更年期障害の症状とは?

男性更年期障害の症状には、個人差がありますが、その症状は、大きく3つのタイプに分かれます。

  • フィジカル(身体面)
  • メンタル(精神面)
  • セックスファンクション(性機能)

それぞれ見ていきましょう。

フィジカル(身体面)

  • 体重増加
  • メタボリックシンドローム
  • ほてり
  • めまい
  • 耳鳴り
  • ひげや胸毛等体毛の減少
  • 関節や筋肉の痛み
  • 倦怠感
  • 疲労感

メンタル(精神面)

  • イライラ
  • 不眠
  • 記憶力低下
  • うつ症状

セックスファンクション(性機能面)

  • ED(勃起不全)
  • 性的欲求減少
  • 朝勃ちの減少
  • 頻尿

このように症状はフィジカル(身体面)に多く現れますが、その変化の強さはメンタル(精神面)に現れます。

また、メンタル(精神面)のイライラや無気力などの症状は、うつ病とよく似ているため、メンタル系疾患として診断されてしまうことがあります。

そこで気になる更年期障害による「うつ症状」と、精神疾患の「うつ病」の違いですが、身体的な変化として、更年期障害のうつ症状は太りやすくなるのに対し、うつ病の場合痩せていくパターンが多いです。

更年期障害による「うつ症状」と、精神疾患の「うつ病」の違い
  • 更年期障害のうつ症状は太りやすくなる
  • うつ病の場合痩せていく

これらの違い、なるほど~と思いませんか?

この違いであれば、医師でなくても、ご本人や、ご家族なども気付きやすいですものね。

男性が更年期障害になる原因とは?

加齢やストレスによって、男性ホルモンの一種である「テストステロン」の分泌量が急激に減少することによって男性更年期障害の症状が起こります。

では、そのテストステロンについて確認してみましょう。

テストステロンの役割

テストステロンは、下記のような役割を担っています。

テストステロンの役割
  • 筋肉や骨など、男性的な体形を形作る
  • 認知能力を高める(記憶力、判断力)
  • 性機能を保つ
  • 社会の中で自分を主張する、他者と競争する

テストステロンの減少で現れる身体変化とは

テストステロンが減少すると、身体的にも変化が現れます。

顕著なのは、太るということ。

体重が増えて、筋肉量が減っていきます。

つまりメタボですね。

男性の性機能にも影響が・・・

テストステロンは、男性の性機能にも影響を及ぼします。

テストステロンが減少すると、性欲が減退していくと言われています。

私も、この性欲減退は実感しており、結構わかりやすく減退しますよ。

また勃起不全、つまりEDの症状が現れます。

こちらについても、私は経験しています。

男性機能の低下は、男性更年期障害で受ける大きな症状の一つです。

ただ多くの方は、単に「歳だから」として、気にしない方も少なくありません。

しかし、男性更年期障害の症状として現れている場合、そのまま放置しておくことで、大きな病気の引き金になってしまうこともありますので、注意が必要です。

男性更年期障害を診断する方法とは?

男性更年期障害の診断方法としては、AMS(Aging males’symptoms)スコアが用いられます。

AMSとは

ANSは男性更年期障害を診断する為の自己記入式の質問票で、

  • 「こころ」に関する質問:5項目
  • 「身体」に関する質問:7項目
  • 「性機能」に関する質問:5項目

という、全部で17の質問から構成されています。

AMSの質問内容

表はスライドできます。

なし軽い中程度重い非常に重い
1点2点3点4点5点
総合的に調子が思わしくない
関節や筋肉の痛み
ひどい発汗
睡眠の悩み
よく眠くなる,しばしば疲れを感じる
いらいらする
神経質になった
不安感
からだの疲労や行動力の減退
筋力の低下
憂うつな気分
「絶頂期は過ぎた」と感じる
力尽きた,どん底にいると感じる
ひげの伸びが遅くなった
性的能力の衰え
早朝勃起(朝立ち)の回数の減少
性欲の低下

各項目で該当するところに「○」を付けて合計点を出し、自己診断をしてみてください。

こちらのページで、自動計算での自己診断が可能です。是非ご利用ください。

合わせてお読みください
AMSスコア
AMSスコア

AMSの判断基準は

下表のとおり、トータルのスコア(点数)によって更年期障害の程度が分かるようになっています。

表はスライドできます。

合計点数17~2627~3637~4950以上
症状の程度なし軽度中程度重度

AMSは自己記入式の調査になりますので、その結果だけで更年期障害を発症しているかどうかを判断することは難しいのですが、トータル点数が中度から重度の場合は、出来るだけ早い段階で病院を受診することを強くおすすめします

症状によっては、更年期障害ではなく、うつ病の可能性もあるからです。

「大丈夫だろう」と安易に放置することは絶対に止めてください。

更に症状が悪化する場合もありますからね。

男性更年期障害の診断は何科を受診すればいい?

男性更年期障害かなと思って、いざ病院に行こうと思っても、何科を受診していいか迷いますよね。

症状によっては、内科、泌尿器科、心療内科と別れるかもしれませんが、基本は男性更年期障害の専門外来を受診するようにしてください。お近くに男性更年期障害の専門外来がない場合は、泌尿器科、泌尿器科もない場合は内科でOKです。泌尿器科でも内科でも、テストステロンの検査はしてもらえます。

できるだけ男性更年期障害の専門外来を受診するようにしましょう

そうすることで、テストステロン値を測定するなど、効果的かつ効率的な治療を受けることができます。

男性更年期障害の治療方法とは?

男性更年期障害の治療には、テストステロン補充療法や漢方薬治療などがあります。

テストステロン補充療法

男性更年期障害の多くは、テストステロンの減少によって起きますので、文字通りそのテストステロンを補充する治療法です。

テストステロンは、注射によって直接補充(投与)します。

しかし、テストステロン補充療法には、副作用があることに注意をしなければなりません。

それは、精子を作る機能が制限される可能性があるということです。

また、副作用ではありませんが、前立腺がん・肝臓病がある場合は、テストステロン補充療法を受けることができないことも知っておきましょう。

漢方薬やその他の薬

比較的症状が軽い場合は、漢方薬(補中益気湯)や ED薬、抗うつ薬などを使用することがあります。

私自身も、漢方薬治療を続けています。

動悸やめまいの症状から、半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)が処方されました。

漢方薬は、効き方がゆっくりなのですが、副作用の心配がないということで、症状が軽い場合や、他のセルフケアと併用する場合などに適した治療法です。

男性の更年期障害の予防方法とは?

ここまで男性更年期障害について、その原因や、実際に更年期障害になってしまった後の治療方法等について解説してきました。

しかし、本当に大切なのは、更年期障害にならないために予防するということです。

ここからは、数多ある予防法の中からポイントを絞って解説したいと思います。

ぜひ、日々のセルフケアの一環として、生活の中に取り入れてみてください。

質の良い睡眠

睡眠の質と量を改善することは、テストステロンの分泌を促進させます。

ぐっすり、たっぷりな睡眠時間をとることで男性更年期障害を予防することができるのです。

睡眠のポイント

  • 質:深い眠り
  • 量:6時間以上

これらのポイントを意識することで、テストステロン減少の防止につながることが期待できます。

また、アルコールの摂りすぎや、寝る前のスマホやPC、テレビなどは、睡眠の質を低下させる要因となるため注意してください。

適切な食事

最近のダイエットでは、炭水化物を控える方法が定着しつつありますが、こと更年期障害予防の観点からは少し注意が必要です。

というのも、炭水化物の摂取が減るとテストステロンの分泌が減るからです。

タンパク質を含む肉や魚はもちろんのこと、タマネギやニンニク、アボカド、貝類などはテストステロンの分泌を高める効果がありますので、積極的に食事で摂る様にしましょう。

筋トレで筋肉を増やす

テストステロン増加に欠かせないのが、筋肉量を増やすことです。

筋肉量を増やすためには、筋トレは必須です。

さらには、運動することで代謝が良くなり、ストレスの発散にもつながりますからね。

積極的に筋トレをするようにしてください。

特に、下半身の大きい筋肉を鍛えるのが、最も効果的です。

おすすめの筋トレは、Big3です。

Big3とは、スクワット・デッドリフト・ベンチプレスの3種の筋トレのことです。

人からの評価

人から評価されることでテストステロンは分泌されます。

誰しも、多かれ少なかれ承認欲求はあるもので、それが満たされると、テストステロンがダクダク分泌されます。

年齢を重ねていくと、他者(部下等)を評価することはあっても、評価をされることは少なくなりますからね。

これらの生活習慣の改善によって、テストステロンの減少を予防していきましょう。

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