男性更年期障害に効く注射薬:エナルモンデポー、テスチノンデポー、テストロンデポーの効果を徹底解説
男性更年期障害に悩む多くの中高年男性にとって、適切な治療法の選択は重要です。
テストステロン補充療法の注射薬として使用されるエナルモンデポー、テスチノンデポー、テストロンデポーの3つの注射薬は、男性更年期障害症状の改善に大きく貢献します。
しかし、これらの注射薬の違いや、それぞれの効果について詳しく知っている方は少ないかもしれません。
今回は、男性更年期障害の症状と治療の必要性を解説し、エナルモンデポー、テスチノンデポー、テストロンデポーの3つの注射薬の特徴、効果、副作用について詳しく紹介します。
さらに、医師の意見や実際の使用者体験談を交え、最適な治療法を見つけるための参考情報を提供します。
男性更年期障害に対する理解を深め、健康な生活を取り戻すための一助となることを願っています。
男性更年期障害とは?症状と治療の必要性
男性更年期障害とは、主に中高年男性に見られる主に男性ホルモンであるテストステロンのバランス変化に伴う様々な症状のことを指します。
男性更年期障害は、一般的に40歳以降に発症することが多いです。
テストステロンは、男性の性機能、筋肉量、骨密度、精神的な健康に重要な役割を果たしますが、そのレベルが低下すると、さまざまな健康問題が生じる可能性があります。
男性更年期障害の主な症状には、性欲の低下、勃起不全、疲労感、筋力低下、体脂肪の増加、骨密度の低下、気分の変動、うつ症状、集中力の低下などが含まれます。これらの症状は、生活の質に大きな影響を及ぼし、仕事や家庭生活にも支障をきたすことがあります。
男性更年期障害の治療は、主にテストステロン補充療法(TRT:testosterone replacement therapy)を中心に行われます。
特にテストステロン補充療法は、症状の改善に効果的で、多くの患者がその恩恵を受けています。
注射薬としては、エナルモンデポー、テスチノンデポー、テストロンデポーが一般的に使用されており、それぞれが異なる特性と効果を持っています。
これらの治療法を正しく理解し、適切に利用することが、健康な生活を取り戻す鍵となります。
治療を始める際には、まず医師の診察を受け、適切な診断を受けることが重要です。
自己診断や自己治療は避け、専門家のアドバイスに基づいた治療を行うことで、安全かつ効果的に症状を改善することができます。
男性更年期障害についての正しい知識を持ち、早期に対応することで、健康な生活を維持することが可能です。
エナルモンデポー、テスチノンデポー、テストロンデポーの基本情報
男性更年期障害の治療に使用される代表的な注射薬として、エナルモンデポー、テスチノンデポー、テストロンデポーの3つが挙げられます。
それぞれの注射薬は、特定の特徴と効果を持っており、患者のニーズに合わせて選択されます。
以下は、それぞれの注射薬の基本情報をまとめたものです。
エナルモンデポー
製造販売業者等
製造販売元
あすか製薬株式会社(東京都港区)
販売元
武田薬品工業株式会社(大阪市中央区)
組成
販売名 | エナルモンデポー筋注125mg | エナルモンデポー筋注250mg |
有効成分 | 日局テストステロンエナント酸エステル | |
含量 | 1管1mL中125mg | 1管1mL中250mg |
添加剤 | 1管1mL中ゴマ油適量 | |
剤形・性状 | アンプル(無色~微黄色の澄明な油性注射液) |
効能又は効果
男子性腺機能不全(類宦官症)、造精機能障害による男子、不妊症、再生不良性貧血、骨髄線維症、腎性貧血
用法及び用量
〈男子性腺機能不全(類宦官症)
通常、成人にはテストステロンエナント酸エステルとして、1回100mgを7~10日間ごとに、または1回250mgを2~4週間ごとに筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減
する。
〈造精機能障害による男子不妊症〉
通常、成人にはテストステロンエナント酸エステルとして、1回50~250mgを2~4週間ごとに無精子状態になるまで筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈再生不良性貧血、骨髄線維症、腎性貧血〉
通常、成人にはテストステロンエナント酸エステルとして、1回100~250mgを1~2週間ごとに筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
重要な基本的注意
〈効能共通〉
男性に投与する場合には、定期的に前立腺の検査を行うこと。
〈再生不良性貧血、骨髄線維症、腎性貧血〉
女性に投与する場合には、変声の可能性のあることを告げておき、投与に際しては観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
薬剤投与時の注意
投与経路
本剤は筋肉内注射にのみ使用すること。
筋肉内注射時
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
- 同一部位への反復注射は行わないこと。特に乳児、幼児、小児には注意すること。
- 神経走行部位を避けること。
- 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
薬価(2024年4月1日以降)
1,297円/管(250mg)
692円/管(125mg)
テストステロン補充療法といえば「エナルモンデポー」といわれるぐらい代表的な注射薬です。
この注射薬は、約2週間から4週間ごとに投与され、血中テストステロン濃度を安定させることができます。
特に、長期間にわたって安定した効果を求める患者に適しています。
テスチノンデポー
製造販売業者等
製造販売元
富士製薬工業株式会社(富山県富山市)
組成
販売名 | テスチノンデポー筋注 125mg | テスチノンデポー筋注 250mg |
有効成分 | ステロンテステロン エナント酸エステル | |
用量 | 1管中 125mg | 1管中 250mg |
添加物 | ごま油(適量) | |
性状 | (油性注射剤(微黄色澄明の油液~無 |
効能又は効果
男子性腺機能不全(類宦官症)、造精機能障害による男子不妊症、再生不良性貧血、骨髄繊維症、腎性貧血
用法及び用量
〈類宦官症(男子性腺機能不全)〉
通常、成人にはテストステロンエナント酸エステルとして、1回100mgを7~10日間ごとに、または1回250mgを2~4週間ごとに筋肉内注射する。なお、年齢や症状により適宜増減する。
〈造精機能障害による男子不妊症〉
通常、成人にはテストステロンエナント酸エステルとして、1回50~250mgを2~4週間ごとに無精子状態になるまで筋肉内注射する。なお、年齢や症状により適宜増減する。
〈腎性貧血、骨髄線維症、再生不良性貧血〉
通常、成人にはテストステロンエナント酸エステルとして、1回100~250mgを1~2週間ごとに筋肉内注射する。なお、年齢や症状により適宜増減する。
重要な基本的注意
〈効能共通〉
男性に投与する場合には、定期的に前立腺の検査を行うこと。
〈腎性貧血、骨髄線維症、再生不良性貧血〉
女性に投与する場合には、変声の可能性があることを告げておき、投与に関しては観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
通常、月経異常が頻発する例が多いとの報告がある。
適用上の注意
薬剤投与時の注意
筋肉内注射にのみ使用すること。
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に注意する事。
- 神経走行部位は避けること。注射針を刺入した時、神経に当たったと思われるような激痛を訴えた場合には、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
- 繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど、注射部位を変えること。
- 注射器の内筒を軽く引き、血液の逆流がないことを確かめて注射すること。
薬価(2024年4月1日以降)
1,147円/管(250mg)
630円/管(125mg)
テストロンデポー
製造販売業者等
製造販売元
富士製薬工業株式会社(富山県富山市)
組成・性状
販売名 | テストロンデポー筋注250mg |
有効成分 | 日局 テストステロンエナント酸エステル |
含量 | 250mg |
容量 | 1mL |
添加物 | ベンジルアルコール 20μL 安息香酸ベンジル 50μL ゴマ油 適量 |
色調・性状 | 無色~微黄色澄明の油性注射液 |
剤形 | 注射剤(アンプル) |
効能・効果
男子性腺機能不全(類宦官症)、造精機能障害による男子不妊症、再生不良性貧血、骨髄線維症、腎性貧血
用法・用量
男子性腺機能不全(類宦官症)の場合
通常、成人にはテストステロンエナント酸エステルとして1回100mgを7~10日間ごとに、または1回250mgを2~4週間ごとに筋肉内注射する。
造精機能障害による男子不妊症の場合
通常、成人にはテストステロンエナント酸エステルとし
て1回50~250mgを2~4週間ごとに無精子状態にな
るまで筋肉内注射する。
再生不良性貧血、骨髄線維症、腎性貧血の場合
通常、成人にはテストステロンエナント酸エステルとして1回100~250mgを1~2週間ごとに筋肉内注射する。なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。
適用上の注意
投与経路
本剤は筋肉内注射にのみ使用すること。
筋肉内注射時
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
- 同一部位への反復注射は行わないこと。
- 神経走行部位を避けること。
- 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
アンプルカット時
本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
使用時
冬期白濁することがあるが、その際は少しあたためて使用すること。
薬価(2024年4月1日以降)
971円/管(250mg)
これらの情報を基に、自分に最適な治療法を見つける手助けとなれば幸いです。
それぞれの注射楽の特徴を理解し、適切な選択を行うことで、男性更年期障害の症状を効果的に管理することができます。
注射薬の副作用と安全に使うための注意点
男性更年期障害の治療に使用されるエナルモンデポー、テスチノンデポー、テストロンデポーは、それぞれ有効な治療法ですが、副作用やリスクも伴います。
治療を安全に続けるためには、これらのリスクを理解し、適切に管理することが重要です。
禁忌(該当する患者には投与しないこと)
エナルモンデポー | テスチノンデポー | テストロンデポー |
アンドロゲン依存性悪性腫瘍(例えば前立腺癌)及び、その疑いのある患者(腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。) | ||
妊婦又は妊娠している可能性のある女性 |
禁忌事項に関しては、3注射剤ともに、同じ内容になっています。
主な副作用
エナルモンデポー、テスチノンデポー、テストロンデポーに共通する主な副作用には、注射部位の痛みや腫れ、頭痛、めまい、血圧の上昇、肝機能障害、血液凝固障害などがあります。
こちらは、分かりやすく一覧表でみてみましょう。
エナルモンデポー | テスチノンデポー | テストロンデポー | |
過敏症 | 過敏症状 | 発疹等 | 過敏症状 |
肝臓 | 肝機能検査値の異常 | ALT・ASTの上昇等 | 肝機能検査値の異常 |
内分泌(男性) | 陰茎肥大、持続性勃起、特に大量継続投与により精巣萎縮、精子減少、精液減少等の精巣機能抑制 | 陰茎肥大、持続性勃起、特に大量継続投与により睾丸機能抑制(精液減少・精子減少・精液減少) | 陰茎肥大、持続性勃起、特に大量継続投 与により精巣萎縮・精子減少・精液減少等の精巣機能抑制 |
内分泌(女性) | 回復しがたい嗄声・多毛、ざ瘡、色素沈着、月経異常、陰核肥大、性欲亢進 | 回復しがたい嗄声・多毛、ざ瘡、色素沈着、月経異常、陰核肥大、性欲亢進 | 回復しがたい嗄声・多毛、ざ瘡、色素沈 着、月経異常、陰核肥大、性欲亢進 |
精神神経系 | 多幸症状 | 多幸症状 | 多幸症状 |
皮膚 | 脱毛、皮膚色調の変化(紅斑等)等 | 脱毛、皮膚色調の変化(紅斑等)等 | 脱毛、皮膚色調の変化(紅斑等)等 |
投与部位 | 疼痛、硬結 | 硬結等、発赤、疼 | 疼痛、硬結 |
比べてみても、ほぼ同じですね。
これらの副作用は、投与後しばらくしてから現れることが多く、症状が軽度である場合が一般的です。
しかし、重篤な症状が現れた場合は、速やかに医師に相談することが必要です。
リスク管理のポイント
副作用を最小限に抑えるためには、以下のポイントに注意することが重要です。
定期的な健康チェック
テストステロン補充療法を開始する前に、医師による詳細な健康チェックを受けることが推奨されます。
この健康チェックは、主に血液検査で、PSA(前立腺細胞で作られるタンパク質)を測定することで、そのリスクの度合いを把握することができます。
また、治療中も定期的に血液検査や肝機能検査を受けることで、副作用の早期発見と対応が可能になります。
ライフスタイルの見直し
テストステロン補充療法と併せて、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な休息を心がけることが、副作用のリスクを低減する助けとなります。特に、アルコールの摂取や喫煙は、治療効果を減少させる可能性があるため、控えることが推奨されます。
医師との継続的なコミュニケーション
治療中に異常を感じた場合や、疑問が生じた場合は、すぐに医師に相談することが重要です。医師との継続的なコミュニケーションを保ち、自分の状態を正確に伝えることで、最適な治療法を選択することができます。
男性高年期障害の治療は、適切なリスク管理を行うことで、効果的かつ安全に進めることができます。自身の健康状態に注意を払いながら、医師と協力して治療を続けましょう。
医師やクリニックは、どの様な理由でエナルモンデポー、テスチノンデポー、テストロンデポーを使い分けているの?
エナルモンデポー、テスチノンデポー、テストロンデポーの効能・効果、用法・容量に違いは、ほぼありません。
そうなると、医師やクリニックは、何をもって使い分けているのでしょうか?
この点については、明確な基準があるわけではないようですので、様々な情報から総合的に調べた結果になりますので、ご参考程度にご覧ください。
医師は、注射剤の特徴、患者の年齢、症状、生活スタイル、治療目的などを総合的に考慮し、最適な注射剤を選択しています。
例えば、
エナルモンデポーの事例
【患者A】
40歳の男性で、男子性腺機能不全(類宦官症)の診断を受けています。
週に1回の注射で十分なテストステロン補充を行いたい。
エナルモンデポー125mgは、注射後に徐々に放出されるため、週ごとの投与が適しています
この患者は週ごとの注射スケジュールを遵守しやすいと考えられます
テスチノンデポーの事例
【患者B】
60歳の男性で、男性更年期障害(LOH)の症状が出ています。
長期的なテストステロン補充を希望している。
テスチノンデポーは持続性が高いため、数週間ごとの注射で効果を維持できます。
この患者は定期的な通院が難しい場合でも適切に管理できるでしょう。
テストロンデポーの事例
【患者C】
50歳の男性で、男子性腺機能不全の診断を受けています。
通院の関係で、3〜4週ごとの注射で管理したい。
テストロンデポーには、容量250mgがあり、3〜4週ごとの投与スケジュールに適しています。
この患者は数週間単位の通院が可能であるため、適切なタイミングで注射を受けることができるでしょう
クリニック視点
製剤の入手性
エナルモンデポーが品薄になった場合、代替としてテスチノンデポーを使用することが考えられます。
製薬会社の生産・供給状況や在庫の有無によって、クリニックは選択肢を検討することがあります。
患者のニーズと快適性
患者の個別の状態や希望に合わせて製剤を選択することが重要です。
テスチノンデポーの方が患者にとって使いやすい場合、クリニックは切り替える可能性があります。
医療保険の観点:
医療保険の適用や補助金の観点からも、製剤の選択は検討されます。
保険適用の条件や経済的な側面を考慮して判断されることがあります。
医師の意見と患者の声や実際の使用者体験
男性更年期障害の治療において、エナルモンデポー、テスチノンデポー、テストロンデポーは、その有効性と安全性が医療専門家によって広く認識されています。
ここでは、信頼性の高い医療機関や研究機関の意見、そして実際に治療を受けた方々の体験談を紹介します。
医師の意見
内分泌系の学会の専門家は、テストステロン補充療法が男性更年期障害の治療において非常に有効であると指摘しています。
特に、エナルモンデポーやテスチノンデポーは、長期間にわたり安定したテストステロンレベルを維持することで、性欲の低下、疲労感、筋力低下などの症状を改善するのに役立ちます。
また、定期的な健康チェックと適切な投与方法を守ることで、副作用を最小限に抑え、患者の生活の質を向上させることができると述べています。
使用者体験談
実際にエナルモンデポーを使用している50代男性の一例では、「最初の数週間で劇的な変化を感じました。エネルギーレベルが上がり、日常生活が非常に楽になりました」と語っています。
また、テスチノンデポーを使用している60代男性は、「投与後すぐに効果が感じられ、性欲の回復とともに気分も改善されました」と述べています。
テストロンデポーを使用している50代男性は、「数週間ごとに病院に通う必要がありますが、医師の指導のもとで治療を続けることで、安定した効果を実感しています」との声がありました。
これらの体験談から、テストステロン補充療法が多くの男性にとって有効であることがわかります。
しかし、すべての患者に同じ効果があるわけではなく、個々の健康状態や生活習慣に応じて異なる反応を示すことも理解することが重要です。
治療を始める前に、医師と十分に相談し、自分に最適な治療法を選ぶことが大切です。
おわりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今回は、男性更年期障害の治療に使用されるエナルモンデポー、テスチノンデポー、テストロンデポーの効果、副作用、そして実際の使用体験談などについて詳しく解説しました。
これらの情報をもとに、あなたの治療の選択に役立てていただければ幸いです。
さらに詳しい情報や他の関連コンテンツについては、ぜひ当サイトの他の記事もご覧ください。
男性更年期障害に関する包括的な情報を提供しています。
読者の皆様の健康と幸福を願っています。ありがとうございました。