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男性更年期を隠して働くという“呪縛”を解く――本音を語ることで人生が変わる理由

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どうもです。男性更年期障害予防改善アドバイザーのタツヤです。
今回は、「男性更年期障害とクローズド就労(隠して働くこと)」についてお話いたします。ぜひ最後までお読みください。

職場で体調が不安定になったとき、あなたならどうしますか?

「ちょっと休憩してきます」と言えるでしょうか。
「最近、調子が悪くて…」と打ち明けられるでしょうか。

男性更年期障害(LOH症候群)――それは、単なる加齢現象ではなく、確実に“体と心に襲いかかる病気”です。
しかし、多くの中高年男性はそのことを誰にも言えず、ひとりで抱え込みながら、”いつも”のように働こうとします。

「言っても理解されない」
「弱いと思われるのが怖い」
「キャリアに響くかもしれない」
「家庭でも気を遣われたくない」
「誰にも迷惑をかけたくない」

そうして、症状を隠し続けるうちに、体調は悪化し、心も疲弊し、人間関係もどこか“嘘”をまとったものになっていきます。

今回は、男性更年期を「隠して働く」ことの代償と、そこから抜け出すことで見えてくる“本当の人間関係”の話を、専門的な視点と個人的な経験を交えて、お話したいと思います。

「隠している方が楽」と思っているうちは、すでにしんどい”はず”

多くの中高年男性が、更年期症状に気づいたときに最初にとる行動は「黙ってやり過ごす」ことです。
たとえ、朝から動悸がしていても…
たとえ、急にイライラして部下にきつく当たってしまっても…
たとえ、夜眠れず、朝まで天井を見つめていても…

「まだ大丈夫」「ちょっと疲れてるだけ」「気合でどうにかなる」――そう思いながら、いつものように出社し、デスクに向かう。

でも、こう思っている時点で、実はもう“余裕”はないことが多いんです。枯渇している状態です。

なぜなら、「隠す」という行為そのものが、すでに強烈なストレスだからです。

人は「演じる」ことで想像以上に消耗します。

体調が悪いのに元気そうに振る舞い、怒りが湧いているのに冷静を装い、集中力が続かないのに“できる人”を演じ続ける――。

そんな“毎日が仮面舞踏会”のような日々が、心と身体を確実に削っていくのです。


隠すことが、症状を悪化させるというメカニズム

ここで、ちょっとだけ生理学的なお話を。

男性更年期障害は、加齢やストレスなどをきっかけに、テストステロン(男性ホルモン)が減少することで起こります。
このホルモンは、性機能だけでなく、筋肉量、骨密度、認知機能、情緒安定、社交性など、多くの“男らしさ”に関わっています。

そして、ストレスが強くなると、このテストステロンの分泌はさらに減ってしまいます。
つまり、「隠す」=「ストレス増大」=「ホルモン低下」=「症状悪化」という、完全なる悪循環に陥っていくわけです。

この状態が続くと、やがて「燃え尽き症候群(バーンアウト)」や「うつ病」へと移行するケースも少なくありません。

見えない疲労が蓄積し、ある日突然、立ち上がれなくなる。
職場で過呼吸に襲われる。
何もしたくなくなり、家から出られなくなる。

そんな事態を迎える前に、この「沈黙のストレス構造」から抜け出さないとならないのです。


中高年男性が“オープン”にできない本当の理由

「女性の更年期はオープンに語れるのに、なぜ男性は黙り込むのか?」

これは、よくある質問ですが、実はそんな単純な話ではありません。
「男のプライドが邪魔してる」という言い方も、なんだか乱暴な感じです。

実際には、「オープンにしたことで、自分の立場が危うくなるかもしれない」という、生存本能に近い恐れが男性を黙らせているのです。

とくに中高年男性は、家族を養い、職場で責任を担い、「強さ」や「安定性」を求められてきた世代です。

そんな中で、「更年期でつらい」「心が不安定」「性機能が落ちてきた」といったことは、“自分の存在価値を否定する言葉”になりかねない。

だから、

隠す…
黙る…
演じる…

でも、それは本来“自分のため”のはずだったのに、いつしか誰よりも自分自身を追い詰めているのです。


職場での誤解と孤立――本当の地獄は、身体より“人間関係性”が壊れること

さらに深刻なのは、「隠していること」が原因で、周囲との関係がどんどん歪んでいくことです。

たとえば、あなたがつらくて黙り込んでいると、周囲はこう思うかもしれません。

「あの人、最近いつも不機嫌じゃない?」
「何を考えてるのかわからない」
「付き合いづらくなったな」

すると、声をかけられなくなる。雑談に呼ばれなくなる。評価にも響いてくる。
やがて、自分でも「誰にも必要とされてない気がする」と感じるようになる。

でも、違うんです。

本当は、ただ「言えてなかっただけ」。

“自分を守る”ための沈黙が、“自分を孤立させる”沈黙に変わっていく――。
それこそが、男性更年期における、最大の“落とし穴”なんです。


本音を語ることが、「本物の人間関係」を生み出す

じゃあ、どうすればいいのか?
その答えは、実はとてもシンプルです。

「勇気を出して、ほんの少しだけ本音を語る」こと。

たったそれだけで、あなたの世界は変わり始めます。

信頼できる同僚に、「最近ちょっとしんどくて…」と話してみる。
パートナーに、「更年期かもしれない」と打ち明けてみる。
専門家に、「調子がおかしい」と相談してみる。

たった一言でいいです。

すると、驚くほど身体が軽くなり、気持ちが整理され、世界の見え方が変わります。
これは心理学で「ラベリング効果」と呼ばれるもので、“言葉にすることで脳が安心する”現象です。

しかも、それをきっかけに、“嘘をつかなくていい人間関係”が生まれます。

体調の波があることを知った上で、配慮してくれる人。
弱みを見せてもなお、あなたを尊敬してくれる人。
「実は自分も…」と話し始める仲間。

そういった“本物のつながり”が、ようやく見えてくるんです。


オープンにしても、他人は変わらない。でも、自分は変われる

ここで一つ、現実的なことも言っておきます。

「オープンにしたら、すぐにみんなが理解してくれる」
――そんな都合のいい世界は、残念ながらありません。

正直、理解されないこともあるでしょう。
茶化されたり、距離を置かれたり、心無いことを言われるかもしれません。

でも、それでも。

あなたは、自分を偽らなくてよくなる。
あなたは、無理をしなくてよくなる。
あなたは、自分に対して“正直でいられる”ようになる。

そしてそれこそが、回復の起点になります。

「人は、正直に生きてこそ、治っていける」――僕は、そう確信しています。


“隠す人生”を終わらせるために、今日からできること

では最後に、今日からできる「小さなアクション」を3つだけお伝えします。

  1. 自分の症状を紙に書いてみる(アプリに打ち込むでもOK)
    どんなときにしんどくなる? どんな症状が出ている?
    “自覚”は回復の第一歩です。
  2. 信頼できる”たったひとり”に話してみる
    家族でも、親友でも、医師でも、誰でもいい。
    「実は今、ちょっと…」と始めてみましょう。
  3. 誰かの話(体験談)を読んでみる
    あなたはひとりじゃありません。
    すでに乗り越えた人たちが、確実に存在しています。

最後に

この記事を読んでくれて、本当にありがとうございます。

僕が言いたかったのは、「もっと弱くなれ」とか「全部さらけ出せ」ということではありません。
ただ、“隠していることで苦しんでいる自分”がいるなら、そのままでい続けなくてもいいよ、ということ。

本音を語ることで、失うものもあるかもしれません。
でも、そこでしか得られないつながりも、必ずあります。

男性更年期障害は、孤独にさせる病です。
だからこそ、“人とのつながり”こそが、最高の処方箋になります。

無理せず、自分のペースでいいです。
でも、いつか必ず“誰か”に、今のあなたを話せますように。

男性更年期障害の克服に必要なのは「ひとりじゃない」と思えること

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ABOUT ME
タツヤ
タツヤ
男性更年期障害予防改善アドバイザー
1971年生まれ。
2010年頃から動悸、めまい、発汗、倦怠感などの症状に悩まされる。
様々な病院で検査を受けるも原因が分からず『診断難民』状態に。
その間、体調は悪化するばかり。
2019年頃から体調不良(不定愁訴)が顕著に現れる。
2022年11月ホルモン検査の結果、男性更年期障害の診断を受ける。
以降、テストステロン補充療法を中心に治療を続け、合わせてテストステロンをアップさせるための生活習慣の改善に取り組み、2023年11月時点、テストステロン値も正常になり、男性更年期障害の症状は改善する。
現在は、自身の経験を活かし、SNS(X【旧Twitter】)やblog、同じ悩みを持つ方々によるコミュニティ、さらには各種メディア出演など通じて、男性更年期障害を中心としたメンズヘルスに関する情報を発信している。

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